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なぜか、いつも同じような人に出会う。
高圧的な上司に当たる。大事にしてくれない人を好きになる。強く出られると何も言い返せなくて、気づいたら都合よく扱われている。
そういうことが何度も続くと、だんだん「私に問題があるのかな」と思うようになります。私はずっとそう思っていました。
でもある時期から、これは私の性格の問題ではなくて、私が子どもの頃に身につけた「生き延び方」がそのまま残っているだけなんじゃないか、と考えるようになりました。
同じような感覚を持っている人に向けて、私の話を書きます。
気に入っているものほど、捨てられた
子どもの頃、私の持ち物はよく捨てられました。
文房具、外で買った漫画、集めていた小さなもの。全部ではありません。法則がありました。私が気に入っているものほど、なくなる。大事にしているのが伝わるものから、順番に消えていく。
だから途中から、好きなものを家に置くのをやめました。外で買って、外で読んで、外で捨てる。手元に残さなければ、捨てられることもないので。
今思うと、あの頃に覚えたのは「好きだと表明しない」ということでした。
欲しがらない。期待しない。執着していると思われない。そうしていれば、傷つかずに済む。子どもなりに見つけた、いちばん安全なやり方でした。
この癖は、大人になっても消えませんでした。
外から見たら、恵まれた子だった
私が着ていたのは、ブランドの服でした。
本当は、光る靴が履きたかった。歩くと音が鳴る靴とか、ローラーがついた靴とか、キャラクターがついたTシャツとか。同級生が持っているものが欲しかった。
でも母は自分の趣味で服を選ぶ人だったので、私はいつもきれいな、シンプルな格好をしていました。子どもがラルフローレンのシャツを着たいわけがないのに。
そしてこの話をすると、たいてい「いいなあ」と言われます。
ここが、いちばん厄介なところでした。
外から見れば、恵まれた子どもです。習い事もしていたし、身なりも整っていた。だから「うちは家庭環境がしんどい」と言っても、誰にも伝わらない。自分がしんどいと感じていること自体が、わがままなんじゃないかと思うようになる。
家庭のことで苦しんでいる人の全員が、分かりやすく貧しかったり、放置されていたりするわけではありません。むしろ、外から見て問題がなさそうな家ほど、当事者は誰にも言えなくなります。
私の意見には、聞く価値がないとされていた
何を言っても、通りませんでした。
行きたい場所も、欲しいものも、やってみたいことも。伝えた時点で、検討されずに終わる。
前提として「あなたの言うことは考える価値がない」という扱いがありました。だから交渉にもならない。頭の悪い人間が考えたことを聞くのは時間の無駄、という理屈です。
手伝いをしようとすると、それも止められました。私がやると仕上がりが悪いし、やり直す手間が増えるから、何もするなと。
やることがなくなった結果、私に残されたのは、公文の宿題とピアノの練習と学校の宿題だけでした。決められたことを、決められた通りにやる。それ以外の時間の使い方を知らないまま大人になりました。
こうやって育つと、何が起きるか。
自分の判断を信用できなくなります。
自分が「これがいい」と思っても、それは間違っているかもしれない。だから、はっきり言い切る人がそばにいると、その人に従うほうが安心する。自分で決めなくて済むから。
我慢が上手い人は、我慢させたい人に見つかる
社会に出てから、私は何度も高圧的な人に当たりました。
最初は運が悪いんだと思っていました。でも転職しても、恋愛相手が変わっても、似た人が来る。さすがに偶然ではないと気づきます。
理由は、たぶんシンプルです。
我慢が上手い人は、我慢させたい人にとって都合がいいからです。
強く言えば通る。文句を言わない。機嫌を取ってくれる。断らない。そういう相手を探している人にとって、私はとても見つけやすかったんだと思います。
恋愛でも同じでした。
本当は毎日連絡が欲しくても、言わない。重いと思われたくないから。会いたいと思っても、相手の都合が悪そうなら引き下がる。不満があっても、これくらいで怒るのはおかしいのかな、と自分を疑う。
要求しない相手は、扱いやすいんです。だから、雑に扱ってくる人が居座れる余白ができる。
私は「選ばれない人」だったのではなくて、そういう人に選ばれやすい人でした。
絶縁できない人の話
こういう話の答えは、だいたい決まっています。絶縁しましょう、距離を置きましょう。本にもそう書いてあるし、たぶんそれが正しいんだと思います。
でも私は、それができていません。
うちは父が仕事でほとんど家にいなくて、実質は母と二人でした。しかも一人っ子です。逃げ場もなければ、代わりに引き受けてくれる兄弟もいない。子どもの頃に逃げ道がなかった構造が、そのまま今も続いています。
毒親の記事は、たいてい「親と距離を置いて、私は幸せになりました」で終わります。読むと少し救われる。でも私は、その終わり方に到達していません。
母は年を取り、体調を崩し、今は私が様子を見に行く側になりました。
立場が逆転したのだから、少しは楽になるかと思っていました。ならなかった。行けば嫌味を言われるし、私は何も言い返せずに座っている。子どものときと同じ姿勢のまま、大人になった体でそこにいる。
帰り道に毎回思います。なんで私、行ってるんだろう、と。
行かなくてもいいはずなんです。でも行く。行かないと決めるほうが、行くよりしんどいから。
自分の中に、悲しさと、腹立たしさと、早く終わってほしいという気持ちと、そう思う自分への嫌悪が、全部同時にあります。どれが本当の気持ちなのか、自分でも分かりません。
たぶん、全部本当なんだと思います。
この話は、友達にはできない
こういうことを、人に話したことがあります。ほとんどうまくいきませんでした。
いちばん多かった反応は、これです。
「お母さんがそんなこと言うわけないじゃん。あなたのことを本当に思ってるからだよ」
慰めではありません。事実の否定です。相談した結果、私の記憶のほうが間違っていることにされる。
他にもあります。「でも親でしょ」「育ててもらったんだから」「いつか後悔するよ」。
言う側に悪気はないと思います。だから責める気もありません。ただ、これを何回か経験すると、人には言わなくなります。話すたびに、自分が薄情な人間だと確認させられるだけなので。
そして、しんどいのは変わらないまま、話す場所だけがなくなっていきます。
だから、知らない人に話した
私が結局たどり着いたのは、まったく関係のない人に話す、という方法でした。
自分を知らない人には、前提の説明が要りません。母がどんな人か知らないから、「そんなこと言うわけない」とも言われない。私が話したことが、そのまま事実として扱われる。それだけで、かなり違いました。
私が使っていたのはココナラです。もともとは恋愛のことで占いを受けたのがきっかけでしたが、家族の話を聞いてもらえる人もたくさんいます。
このジャンルを勧めるときにいつも思うのは、声を出さなくていい選択肢があるのが大きいということです。
家族の話は、口に出そうとすると詰まります。言いながら涙が出て話にならない、ということもあります。ココナラにはメールでのやり取りだけで完結するものがあるので、書きながら整理したい人にはそちらのほうが向いています。深夜に文章を打って、返事を待つ、という使い方ができます。
もちろん、聞いてほしい、声で話したいという日もあります。そういうときは電話です。私の場合は、時期によって使い分けていました。
金額は、占い師によって幅がありますが、メールなら1,000円台から選べます。いきなり大きな金額を使う必要はありません。
選ぶときに気をつけていること
私は10年で600人以上の占い師に相談してきました。そのうえで、家族のことを相談するときに見ているポイントを書いておきます。
母を悪者にしてくれる人を選ばない
「お母さんがひどいですね」と言われると、その瞬間は気持ちがいいです。でも、それだけで終わる人だと、次に同じ話をしに行くことになります。何度も。
「許しましょう」と最初に言う人も避ける
許せていないことに苦しんでいるのに、許しをゴールに置かれると、行き場がなくなります。許すかどうかは自分が決めることです。
過去の説明ではなく、これからの話をしてくれる人
私に効いたのは、過去を分析してくれる人ではありませんでした。今の自分が何を選べるのかを一緒に考えてくれる人でした。
プロフィールに「家族」「親子」と書いてある人を選ぶ
恋愛専門の人に家族の話をすると、うまく噛み合わないことがあります。得意分野は書いてあるので、そこを見て選んだほうが早いです。
おわりに
私は今も、この問題を解決できていません。
母との関係は変わっていないし、たぶんこの先も劇的には変わらないと思います。行くたびに嫌な思いをして、帰り道に同じことを考える。それが当面続きます。
ただ、一つだけ変わったことがあります。
雑に扱われたときに、「私が悪いのかな」と考える時間が短くなりました。これは、家で身につけた癖であって、私の価値の話ではないと分かったからです。
それが分かるまでに、私はずいぶん時間とお金を使いました。ひとりで考えていた期間が長すぎたと思います。もっと早く、関係のない誰かに話してみればよかった。
同じところで止まっている人がいたら、まずは誰でもいいので、事情を知らない人に話してみてほしいです。
※この記事は個人の体験に基づくものです。心身の不調が続いている場合は、医療機関や公的な相談窓口の利用も検討してください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、無料の相談先が案内されています。

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