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占いジプシーという言葉があります。
同じ悩みで、次から次へと違う占い師に相談し続ける人のことです。私は10年以上、それをやってきました。相談した占い師は600人を超えています。
この記事は、やめましょうという話ではありません。なぜ止まらないのかを構造として説明する記事です。理由が分かると、少し扱いやすくなります。
占いジプシーになる人には、共通点があります
まず、意志の弱さの問題ではありません。私が見てきた限り、共通しているのはこの3つです。
自分の判断を信用できない
自分で決めたことに自信が持てない。だから誰かに確認してもらいたくなる。これは性格というより、育った環境で身につくことが多いです。
自分の意見を否定され続けた人は、判断する筋肉が育ちません。
相談できる相手がいない
友達に何度も同じ話をするのは気が引けます。しかも同じ相談を繰り返すと、相手が困る顔をするのが分かる。
だから、お金を払って聞いてもらう相手を探すことになります。
答えではなく、安心が欲しい
ここが一番大きいです。
本当に知りたいのが未来なら、一人の先生の答えで足ります。それでも次を探すのは、欲しかったのが答えではなかったからです。
止まらなくなる仕組み
私が抜け出せなかった理由を、今なら説明できます。
望まない答えが出ると、次を探す
これが占いジプシーの中心です。
彼から連絡が来ないと言われる。納得できない。だから別の先生に聞く。そこでも同じことを言われる。また別の先生に聞く。
そのうち、望む答えを言ってくれる先生に当たります。そこで止まります。
でも、これは占いをしているのではなくて、答えを探しているだけです。当たる先生を探しているつもりで、実際は自分に同意してくれる人を探しています。
私はタロットでも同じことをやりました。自分でカードを引いて、悪い結果が出ると納得できなくて引き直す。希望通りのカードが出るまで、延々と。読むのではなく、探していました。
たまに当たるから、離れられない
心理学に間欠的強化という考え方があります。報酬が不定期に与えられるほうが、毎回与えられるより執着が強くなるというものです。
600人のうち、驚くほど当てた先生が何人かいます。何も言っていないのに服装を言い当てられたこともあります。
あの体験があると、次も当たるかもしれないと思ってしまいます。ギャンブルと同じ構造です。
相談すること自体が安心になる
電話をかけている間は、不安が止まります。
だから、結果がどうであれ、かけること自体に効果があります。そして効果があるので、また繰り返します。
私は先生に「状況が変わったら教えてね」と言われるたびに、それを社交辞令だと分からずに全員に報告の電話をかけていました。それが毎日になっていた時期があります。
「もっと強いもの」に流れていく
占いジプシーが長引くと、次の段階に入ります。
普通の占いでは足りなくなって、より特別なものを探し始めます。有名な先生、高額な鑑定、祈祷、信仰。
私も聖天信仰にたどり着きました。「最後の砦」と言われるものです。浅草の待乳山聖天に通って、別座浴油祈祷を定期的に依頼していました。
結果は叶いませんでした。今は叶わなくてよかったと思っていますが、当時は「もっと回数を重ねれば」と考えて依頼を増やしていました。
この「もっと」が一番危ないところです。
そして、この段階まで来ると、狙われます。除霊が必要だ、家系の因縁だ、と言ってくる相手が現れる。私も80万円の除霊を要求されたことがあります。
弱っているときほど、そういう相手に見つかります。
抜け出すために、実際に効いたこと
やめる必要はないと思っています。趣味として続けている人はたくさんいます。
私が変えたのは、やめることではなく、使い方でした。
金額の上限を先に決める
一番効きました。
月にいくらまで、と決めておく。決めていないと、不安なときほど「もう一回だけ」が積み重なります。あとから明細を見て青くなるのは、決めていないからです。
ポイントを先に購入する方式の会社を使うと、残高がなくなった時点で止まります。自分で止められないなら、止まる仕組みを使ってください。
同じ相談を3人目にしない
これも決めました。
2人に聞いて同じことを言われたら、それが答えです。3人目を探しているなら、それは答えを探しているのではなく、同意を探しています。
自分が今どちらをしているかを自覚するだけで、かなり変わります。
「当てて」ではなく「どうすれば」と聞く
相談の仕方を変えました。
彼から連絡が来ますか、と聞くと、答えは来るか来ないかの二択です。外れれば次の先生を探すことになります。
今の状況で自分に何ができますか、と聞くと、答えが行動になります。行動には自分で取り組む余地があるので、次を探す必要がなくなります。
家族や環境の話をしてみる
これが一番大きかったかもしれません。
私はずっと恋愛のことを相談していました。でも、うまくいかない相手ばかり選んでしまう理由は、恋愛の外にありました。
同じところをぐるぐる回っているなら、質問そのものが間違っている可能性があります。
相談する相手を、種類で分ける
もうひとつ、今やっていることを書きます。
判断に迷っているときは、実績のある先生に短時間で。 安い先生に長時間かけるより、経験のある先生に要点だけ聞くほうが、金額も満足度も結果的に良くなります。
整理したいだけのときは、メール占いを使う。 書いているうちに自分で答えが出ることがあります。しかも1件いくらの固定料金なので、時間を気にせず書けます。
ただ聞いてほしいだけの日は、カウンセリング寄りの人を選ぶ。 占いを求めていないのに占ってもらうと、また答えを探すことになります。
会社と先生の選び方は、こちらに書きました。
それでもやめられないとき
生活に支障が出ているなら、話が変わります。
支払いのために借りている、日常の予定が相談に合わせて動いている、電話をかけないと落ち着かない。この段階なら、占いの使い方の問題ではありません。
そういうときは、医療機関や公的な相談窓口のほうが適しています。厚生労働省の「まもろうよ こころ」に、無料で相談できる窓口がまとまっています。
そして、そこまで行っていないなら、そこまで自分を責めなくていいです。
私は10年やってきて、使いすぎた時期も確実にありました。ただ、あの時期に話を聞いてくれる人がいなかったら、もっと悪い方向に行っていたとも思っています。
さいごに
占いジプシーは、答えを探しているようで、実は安心を探している状態です。
だから何人に聞いても終わりません。安心は、当たる答えからは来ないので。
抜け出すのに必要なのは、占いをやめることではなく、自分が今なぜ電話をかけようとしているのかを、かける前に一度考えることだと思っています。
判断が欲しいのか、安心が欲しいのか。安心が欲しいだけなら、それは占いでなくてもいい。
私はそれが分かるまでに10年かかりました。
※この記事は個人の体験に基づくものです。心身の不調が続いている場合は、医療機関や公的な相談窓口の利用も検討してください。

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